タクシートーク。



自分自身を「大人になったなー」と思ったのは、電車がある時間にタクシーに乗るようになった頃だね。
で、たぶん、自分自身を「金持ちになったなー」と思うのは、タクシーじゃなくてハイヤーに乗るようになったらだろうね。
まあ、そんな日はこないだろうね。
いや、ドライバーの方でなら可能性があるか?
・・・まあいいや。




さて、先日乗ったタクシーで、ドライバーがでっかいマスクをしていた。
こりゃ、花粉症ですな。
僕はタクシーに乗ると、窓を少し開けるのですよ。その方が気持ちいいから。
そんで、ちょっと遠慮したのね。
「窓開けてても、大丈夫ですか?」
「大丈夫です、マスクしてますから!」
“花粉症”というワードは出てこなかったのに、この人が花粉症であるということがよく分かる会話ですな。


ちなみに、眠くなってしまうから、薬が飲めないらしい。


実は、僕はそのことを聞いて、ハッとしたの。
仕事があるから、薬が飲めない人がいるなんて発想がなかったから。
運転を職業にするって、なかなか大変なことです。




別の日。
その日に乗ったタクシーの運ちゃんは、ファンキーでしたよ。
「俺、人相悪いから、すぐ怖がられちゃうんだよっ!」
「ヤッちゃんには誘われるのに、カワイコちゃんには誘われないのっ!」
「若いっていいよな〜」
「俺、3回ヤッて3回とも子供できたんだから、100発100中よ!もっと遊びたかったのに。」
などなど、ハイテンションなトークがノンストップ狂四郎ですよ。
トークがのってくると、
「俺は、若い頃は会社行く前に、牛乳配達やってたのよ。かわいい母ちゃんのためにさぁ。君も新聞配達でもやんないと!」
「そうだよ、新聞配達やりなよ!」
と、なぜか妻が加勢している・・・。


まあ、なかなか有意義なタクシータイムだった。(そうか?)


そして、会計を済ませてタクシーを降りる。
63歳には見えないオッチャンの最後の挨拶は
「元気な子供つくれよ!10人くらい!」
だった。




タクシーに乗るようになったというのは、大人になったということだ。